i.Love You

周りの人たちは
気づいていないか見て見ぬふり。





だれっか…
誰かっ…



そう叫ぼうとしたとき





あのドスの効いた声と
後ろから抱き締められあたしは宙に浮いた










「お兄さん方…

俺の彼女…
何かした?」



え…?










ひょ…豹…牙…




あの人たちは
チッと一回舌打ちをすると

タッタと逃げていった






「あっあの…」






「……あ?」
すごーく不機嫌


「ごめんね…」


涙がポロポロ出た






「おっおまっ…なんで…」







「だっだってあのまま豹牙が来なかったらあたし…」
そうだよ
久しぶりのゲーセンだからといって
浮かれてた。


初めてのナンパだったから…
怖くて…


不安で…










「ありがとう…」








今のあたしにはお礼とか謝ることしか出来ないけれど
いつかちゃんと




お礼がしたい






何か役に立ちたい。