近くて遠い距離




「なに、してんの?」


彼女はこっちを見て目を見開いた。


そりゃそうだろう。


いきなり知らないやつに話しかけられて冷静でいられたらすごい。


怪しいとか思われたかな。


「その制服って宮古高校だよね?」


宮古高校、略して宮高は俺が今日から通う学校だ。


彼女が着ているのは恐らく、いや間違いなく宮高の制服に違いないと思った。


「俺も宮高通うんだよね。ちなみに1年。君は?」


勝手に彼女が宮高に行くと決めた俺。


「………」


やっぱ答えるわけないか。


諦めかけた時、


「1年、です…。今日、入学式です」


やっと彼女が口を開いてくれたのだ。


「おんなじか。……じゃあ一緒に行く?」


「はい…」




そうして歩きだした。



「なんであそこにいたの?」


急な俺の発言にまた驚く彼女。


「あ……風が気持ちよくて…。」


そう言う彼女はとても優しく笑った。


「そっか。遅刻とか気にならなかったわけ?笑」


「あ、………そぅですね。もぅこんな時間…」


彼女は自分の腕時計を見ると、今驚いていた。


「おもしろ。黄昏てたら時間の経過わからなかったんだ」


「はぃ……」



「俺、道川凰誠。宮高に通う1年です。よろしく」


「あ……佐藤鈴音です。よろしく」


「おう!よろしくな!俺のこと凰誠でいいから!」


「あ……うん!」


そう言って二人は学校へ足を進めた。


鈴音か……。どんな高校生活になるんだろうな……。


鈴音に会ったことで、わくわくしてきた。