「莉央、今日からお前俺の彼女な。とりあえず契約だけど。せっかく俺の外見に惚れたなら中身でも惚れ直せよな」

「ぷっ。俺様」

つい笑ってしまった。だってさっきからこの人、もとい清水さんが子どもに見えてきて仕方なくて。それに発言だって俺のこと好きになれ発言ばかり。どんだけ自信家なんだろう。

「・・・笑った。お前、ずっとそうやって笑ってろよ」

あれ?なんでこの人こんなにもあたしの笑顔一つに嬉しそうに微笑むんだろう。どうしてそんなに愛おしそうな目で見るんだろう。

「あ、あの清水さん」

「春馬でいい。てか清水さんなんて他人行儀だろ」

「他人ですから」

「あほ。他人じゃねえよ。いいか?仕事中はともかく、プライベートで敬語なんて使ったらペナルティ増やすからな、覚えとけよ」

「ペナルティ?!」

「あったりめえだろ。ほら、呼んでみろ俺の名前」

ペナルティという恐ろしい単語とは裏腹に本当に優しく微笑むから「春馬」と素直に口にしてみた。「おう」ってまた少年みたいな笑顔。

なんだろう、この気持ち。