君を追いかけて






幸せな日常が、今音を立てて崩れ去ろうとしている。




理由を聞いたら、俺は、彼女を、悠美を…諦めなきゃいけない?








「……祐、これだけは覚えておいて」






彼女は理由を話そうとはしなかった。



聞いてはいけない、そんな空気。







悠美は辛そうな顔で無理やり笑顔を作る。



そんな笑顔、要らない。

見たくないし、必要ない。




そんな笑顔、この世から消え去って欲しい。







俺が見たいのは、もっと違う。

全然違う。




彼女はそれを、分かってない。






俺は何も出来なかった。


ただ、彼女の言葉を待った。