「そんなにかしこまんなぉ!オレより年下っぽいけど、敬語なし!大丈夫だって!
オレそういうのあんま気にしないし!平助って呼べよ!」
・・・年下?・・・オレが?
「あの、何歳なんですか!?」
敬語無しという言葉をガン無視してたずねた。
「・・・16だけど?」
16だけど・・・16だけど・・・。
頭の中でエコーがかかる。
「はあああああああ!?」
次の瞬間、オレは無意識に「藤堂さん」を指さして叫んでいた。
藤堂さんの後ろで、菊池さんや他の隊士たが「ヤバイ」という顔をしていた。
そして、「藤堂さん」が床に座りこみ、うずくまっていた。
「・・・すいませんね。チビで・・・。どうせガキだよ・・・。」
と、言いながら地面に「誠」の字を書いている。
さっきまでのあの元気はどこにいったんだと、ここに居る人全員思うくらいのかわりようだ。
っていうかなんで「の」じゃなくて「誠」・・・!?
ものすごく気まずい雰囲気の中、1人の隊士が口を開く。
「あの、組長。異常ありませんでした。」
「あっそ・・・。」
返事がやたらとそっけない。
しばらくの沈黙が続いて、隊士達が顔を見合わせ、うなずきあった。
結局、「藤堂さん」は隊士達に引きずられて店を出て行った。