平助はまだ酒が抜けていないのか、オーバーなリアクションをした。
ほっぺたを両手で押さえて、「ムンクの叫び」そっくり。

「・・。いや、オレ、昔、友達いなかったから。」

「・・・なんで?」

平助が、再び真剣な顔になって、オレの顔を覗き込んだ。

「オレの昔話、聞いてくれる?」

コイツなら、信じてくれるかな。
そんな淡い期待をだいて、オレは勇気をだして話す決意をした。

「もちろん。」

オレは、包み隠さず、全て話した。
オレは未来から来た事。
父と母は暴力をふるうこと。
兄さんは、人を殺したこと。
そのせいでオレが、「人殺しの弟」のレッテルをはられて、友達と思ってたやつもオレと一線引いてること。

そう。本当に全部。