少し平助から引いて、オレはまた外を眺めた。
「・・・ちょっ!!無視はマジで傷つくって!!」
平助がじりじり寄ってきた。
・・・だから、酒くさいんだよっ・・!
「・・・別に・・・特に、何も・・・。」
うつむきながら答えると、平助が急に真剣な顔になる。
「・・・あのさ、オレ、頼りになんない?オレだって、お前になんかあったって事くらいは分かるんだぞ?」
「頼りにならないって、わけじゃないけど・・・。」
「なら、話してくんない?オレら、友達じゃん・・・。」
つい、「友達」という言葉に反応してしまった。
・・・本気で友達だなんて、思ってるんだろうか。
オレの兄さんが、「人殺し」だって知ったら、こいつらはどう思うかな。
平成の時みたいに、オレから離れていくのかな。
それとも、同じ人を殺した、という事で共感してくれるだろうか。
「・・・ホントに、オレは友達なの?」
「・・・何?今さら。・・・ハッ!!もしかして、そう思ってたの、オレだけ!?」



