やがて、みんな酔いがまわってきたのか、顔を真っ赤にして踊っていたり、まるでアル中のようになってしまった。

斎藤と総司は、2人で刀の自慢してるし、平助、原田、永倉は3人して踊り狂ってる。
これが、京の町で「壬生浪」と呼ばれて恐れられている新選組だとは、言われても絶対分からないと思う。

部屋中に酒の匂いが充満して、飲んでもいないのに、吐き気がしてきた。
話相手もいないし、1人で廊下に出た。

真夏の真っ昼間で、ムン、と熱気が押し寄せてくる。
ここが太陽がこんなに照っていなくて、夜空に大きな月でもあればかっこいいのに。
隣の部屋からも、どんちゃかしている声が聞こえてきた。
オレらの部屋ほどうるさくないけどな。

気が付くと、いつのまにかあの夜・・・池田屋の事を考えていた。
何度も何度も、血しぶきや血の海が、フラッシュバックのように頭に映し出される。