屯所の玄関には、昨日オレを斬ろうとした男が立っていた。
「・・・・来たか。」
「・・迎えですか?どうもありがとうございます。・・・えーっと何さん?」
そういえば、オレはこの人の名前を知らなかった。
この人は、前髪が長くセンター分けで、短い黒髪だった。
「斎藤だ。斎藤一。それと、敬語じゃなくていいぞ。」
「・・そっか。オレは中谷仁だ。菊池洗濯屋で働いてて・・・。」
「それはもう原田と総司に聞いた。行くぞ。」
そういえば何でこいつらはみんな敬語に関してあれこれ言うんだ?
気になるのか?
オレは長い長い廊下を、斎藤の後ろについて歩いていった。