「「平助がどうした!?!?」」

2人の表情が一変し、オレに向かって叫んだ。

「デコから血ぃだしてんだ!!」

2人は顔を見合わせて、池田屋に入っていった。
オレは、中に入るのがためらわれて、入り口で待っていた。
どうやら、原田は平助の方に。
もう1人の男は、奥に行ったようだ。
しばらくして、金属のぶつかり合う音や、叫び声が消えた。
もっと長引くかと思ったけど・・・。
新選組の羽織をきた連中がぞろぞろと出てきた。
原田は、平助を担ぎながら。
隊士の何人かは、縄でぐるぐる巻きになった浪士を連れていた。
オレが知ってる他の連中も、生きて出てきた。
隊士の中には、オレから見ても、助からなさそうなケガを負った奴、もう息絶えている奴もいた。

平助や他の大けがを負った隊士を、今でいう「たんか」の役割なのか、板の上に乗せて屯所まで帰っていった。
オレは、今さらオレに気づいた土方さんに、めいっぱい「戦場に勝手に入るなんて」という内容で怒鳴られた。
それでも怒り足りないのか、明日屯所に来いと言われてしまった。
怒られるのは憂鬱だけど、平助達の様子を見る事が出来るからちょうど良かった。