「近藤さん。洗濯屋だ。」

そう言って土方さんは出て行った。
見知らぬ部屋に、見知らぬ男と2人きりとか。
緊張しすぎるシュチュエーションだ。

「洗濯、ありがとうございました。料金です。」

そう言って布袋を渡された。

「ありがとうございます。・・・それじゃあ、これで。」

と、オレが出て行こうとすると、

「いや、暑い中、わざわざ届けてもらったんだ。どうぞ、お茶でも。」

と引き留められる。無理矢理といってもいいほどで、オレは座布団に座らせられる。
オレの目の前にこのクソ暑いのに熱々のお茶と、色鮮やかな金平糖が出された。
オレは黙々と金平糖を食べる。

「あなたが届けに来るのは初めてですな。」

男が思い出したように話し出す。

「はい、そうですね。オレ、新入りですから。」

お茶を飲みながら言う。熱すぎるよ、このお茶・・・。

「ああ、俺は新選組局長、近藤勇です。」

「ブーーーッ!!」

局長という言葉を聞いて、お茶を吹き出しそうになる。
今の音は、吹き出すのをガマンした音だ。
本当に吹き出してはいないからな!

「すいません、ちょっとお茶が熱くて・・・。」

と、オレは言い訳をした。局長だなんて、一番偉い人じゃん・・・!!

「ははは、大丈夫ですか?」

近藤さんの話も平助達に聞いたけど、話通り、優しいなあ・・・。
永倉は、近藤さんは特に「志道」を大切にしてるって話を聞いた。
だから、「まげ」なのか・・・?
でも、別に武士じゃない菊池さんも「まげ」だったし・・・。
じゃあ、ただの好み・・・?