息を整えながら、オレは頭をさげた。

「昨日は、はああ!?とか言って、すいませんでした!」

藤堂さんはしばらく何のことだ、という顔をしていたけど、あっと言って、

「ああ!いいっていいって!そんな!もう気にしてねえから!」

とブンブンと手を振り回した。

「何だ?昨日なんかあったのか平助?」

藤堂さんと一緒にいた男が言った。
その男は永倉さんと同じくらいの身長で、少し茶色っぽい髪の色で、短い髪を下の方でチョロリとむすんでいた。さっき永倉さんが言っていた「原田」さんかな?

「うん、まあ実は・・・」

と藤堂さんが説明を始めた。永倉さんはまた爆笑しそうになってたけど、
原田さんは笑わなかった。

「それより、仁!!」

「はっはい!?」

いきなり話題を変えられ、心臓がバクバクした。

「敬語禁止、つったろ!!」

あ。そういえばそうだった。でも、と言いかけると、永倉さんと原田さんも敬語を使うな、と言ったので受け入れることにした。

その後、原田さんが自己紹介をしてくれた。
原田左之助といって、十番組組長らしい。刀よりも、槍が得意だそうだ。