「蓮は俺の親友でもあったんだ。
 だから迷惑かもしんねぇけど、お前と話してると懐かしく感じる」

「……そんな…」

「どこまで聞いた?
 蓮のこと」


煙草の煙を吐いて、首をかしげながら俺の顔を見る。

俺は顔をあげると、


「……何も……。
 ただ、写真を見てしまっただけです。
 話す前に、もう帰ってほしいって……」

「そっか……」


浩介さんは苦笑すると、煙草を灰皿へ押し付けた。


「それから莉桜からは何も?」

「……はい」

「樹くんからも?」

「……すみません」

「ううん。仕方ないさ」


そしてもう一度小さな声で「そっか」と漏らし、窓の外を眺めた。