「……浩介さん…」


そこにいたのは、莉桜のお兄さんの浩介さんだった。


「莉桜なら、今日はもう帰ってると思いますが……」


俺は4限。
莉桜は3限で終わる日。

だからこの時間には、すでに帰っているの違いない。


「いや、待ってたのは君だから」
「え?」


話したのは1回。
見かけたのは2回。

だから、まさかその人が、俺のことを待っていたなんて思いもしなかった。


「ちょっと時間ある?」
「……はい…」


莉桜のお兄さんということもあって、俺は断る理由が見つからず、浩介さんと近くのファミレスに入ることになった。