俺はどうしたらいいのか分からず、うずくまる莉桜の肩にそっと触れようとした。


「やっ……」


だけど、莉桜はその手をはねのけた。


「……ご…めん………樹……。
 今日は帰って……」


莉桜はうつむいたまま、そう投げかける。


何か声をかけようと思っても、何も見つからない。

それよりも、声が出なかった。


俺は自分が思っている以上に、この写真にショックを受けているのかもしれない。


「……」


結局俺は、莉桜に言われた通り、部屋を出ていくことしかできなかった。


「気にするな」なんて言えるほど
俺は大人じゃなかったんだ。