本当にシンプルな部屋。

片付いているということもあるけど、それ以上に物が少ない。
必要最低限の物だけがあるといった感じだ。


そのとき……


「?」


棚の上に、パタンと倒されているものが目に入った。

こんだけキチンとされているのに、一つだけ不自然に倒されている。
俺は気になって、その倒されているもののところへ近寄った。


「写真立て……?」


それはどうやら、写真立てのようだった。


莉桜が部屋に写真を……?


莉桜の性格からして、写真を部屋に飾るようなやつには見えない。
そんな莉桜が、この中に、何かの写真を飾っているのだろうか……。


そう思うと、気になって気になって仕方がなかった。


俺は、ドアを見て、莉桜がまだ電話をしていることを確認すると……


そっと、その写真立てを手に取った。





「……っ!!!」





そこに飾られている写真を見て、俺は声を失った。