「わり。今日は帰るわ」
「は？おまえ、午後の授業は！？」
「出席表、よろしく」
俺は雄太に一つ頼んで、莉桜へ会いに行こうと思った。
確か莉桜は今日、２限で終わるはず。
だから今日このまま、確かめないと……。
「………出ねぇ」
莉桜に電話をかけるも、聞こえてくるのは機械音だけ。
無視をしているのか、気づかないだけなのか……。
2回ほどかけたところで、携帯をポケットにしまった。
こうなったら、待ち伏せだな。
もう帰ってしまったら、元も子もないけど、俺は門のところで莉桜を待ち伏せていようと思った。
そして走って向かったその先に、莉桜はいた。
「りっ……」
声をかけようとしたところで、思わず身を隠した。
莉桜の目の前には、昨日会ったばかりの、浩介さんがいたのだ。
