「あ……っと……、ご、めん……」


つい謝ってしまう。

確かに俺は、莉桜へ好きと伝えていたけど、莉桜の気持ちは何も聞いてない。
だから一方的にしてしまったキスを、謝ることしかできなかった。


「樹」


あたふたする俺に、落ち着いた声の莉桜が俺を呼ぶ。

そして予想外の言葉を発した。



「付き合おっか」

「………え…?」



突然の提案。

ついていかない思考回路。



ただ俺は



「………うん…」



その一言を返すので、精一杯だった。