哀しみの音色

 
「莉桜」
「え?……きゃっ…」


俺は自分を見てくれない莉桜が悔しくて、思わず莉桜に水を吹っかけた。

本当に軽くだけど。


「隙あり」
「……」


だけどそれが、莉桜の心に火をつけたらしい。

莉桜は無言のまま俯くと……


バシャッ!!と大きく水を吹っかける。


「おわっ……!!」


それは見事、俺へ命中した。


「てめっ……やりすぎだろっ」
「樹が悪い」
「だからってなぁ………っと!!」


バシャーン!!と大きな音が上がる。。

俺は、砂浜の岩につまずき、盛大に海の中へこけたのだ。