哀しみの音色

 
結局その日は、一日家でゴロゴロして過ごした。

莉桜の寝ている間に、日用品の買い物を済ませ、家に帰って軽く掃除洗濯。
莉桜はたまに起きたりしてたけど、熱もまだあるので、比較的ベッドの上で過ごさせていた。


夜は莉桜一人ベッドで寝かし、俺は床で。

また一緒に寝て、と言われた時は、さすがに断った。
じゃないと、俺の体がもたない……。



そして朝が明けた。



「……いてぇ…」


やっぱり、慣れない床は体が痛い。

しかも、布団があるならいいけど、そんなスペアなんて俺の家にはなく、毛布だけ体にかけた状態。

俺は首をカキコキならしながら、上半身を起こした。


「おはよ」

「え……」


起き上がった瞬間、突然声をかけられる。
驚いて振り向くと、そこには横になったまま、莉桜がこっちを見ていた。