哀しみの音色

 
「いか……ないで………」


うわごとのように、つぶやく莉桜。

それはすごく悲しげで、心の叫びだとわかった。



「莉桜……」



俺はそんな莉桜を見ているのがつらくて、そっと莉桜を引き寄せ抱きしめた。



「俺はここにいるから……。
 だからそんな悲しい声を漏らすな」



この子を救いたい。

その思いは強くなる一方だった。