俺は莉桜の髪をそっと撫でた。

それに反応して、ピクッと眉が動く。

その姿すらも、愛しいと思った。


俺、もうベタ惚れだな……。


自分に苦笑した。


莉桜の髪をなでながら、俺は愛しさを込めて口を開いた。



「………莉桜…」



その声に、莉桜は再びピクッと反応し、俺に絡みついている腕の力を強めた。

そして……



「………え…?」



閉じられた莉桜の瞼から、

一筋の涙が零れ落ちた。