「ね、寝るって……」
「寝付くまででいいから……。お願い……」


正直、すごい困ったし焦ったけど、そんなふうにお願いをされては断るわけにもいかなかった。


俺は唾をごくりと飲んで、莉桜の寝る布団の中へもぐりこんだ。


「…っ」


布団の中へ入るのと同時に、ぴとっと腕に絡みついてくる莉桜。

俺は手の指先から、足のつま先までピンと神経が張りつめていた。


そんな俺の思いはつゆ知らず、数分後、莉桜からは規則正しい寝息が聞こえ始めた。


なんか……
すげぇ生殺しされてる気分……。


俺はなんとか自分の欲望を抑え、すっかり寝付いた莉桜へと首を傾けた。


「……寝顔はすげぇあどけないのな……」


無防備の姿で寝る莉桜は、大学で見る人を寄せ付けない姿や、俺に見せる悲しげな姿からは想像つかないほど幼くて、
こんなかよわい体でどんなものを抱えているんだろうかと、ますます気にならせた。



(最愛の人を殺したから……)



その真相は、なんなんだろうか……。