哀しみの音色

 
「悲しい…目……」


うわごとのようにつぶやく莉桜。

そして目線を俺からそらすと、まっすぐと前を見据えた。


「そう、かもね……」


まるで遠くを見ているかのように、莉桜は細める。

その口から出た言葉は……




「だってあたしは……

 最愛の人を殺してるから……」




あまりにも、悲痛な言葉だった。