「ごちそうさま」


彼女は、作ったおかゆの3分の2ほど食べたところで手を合わせた。

これくらい食べられれば平気だろうと、俺もお盆を下げる。
代わりにさっき取り出した薬を渡した。


「これ飲んで。風邪薬」
「……うん」


受け取って、素直に飲む彼女。

そしてそのグラスも受け取った。


「熱、どう?」
「だいぶ良くなったと思う」
「そっか」


それを聞いて安心し、俺はお皿を持ってキッチンへ運んだ。


「ねえ」


そんな俺に、彼女は話しかけてきた。


「ん?」
「どうしてこんなことまでしてくれるわけ?」
「え?」


彼女の質問に、思わず聞き返してしまう。

言いたいことは分かるけど、なんて返したらいいのか分からない。