「なっ、なんだよその言い方っ……」
「何が?あたしはもとから、こういう性格なの。そんなのも知らないで告白してきたわけ?」
「くっ……」
「幻滅したんなら、さっさと行けば」
「……ちっ…調子に乗ってんじゃねーよ!」


男の怒り声とともに、ザッザッと去っていく足音。


悲惨~……。

それが俺の、素直な感想だった。


それにしても、そんなさらりと毒吐いちゃうって、いったいどんな女なわけ?


そんな好奇心が俺を襲い、俺はそっと身を乗り出して茂みの向こうを覗いてみた。


そこにいたのは、背中まであるストレートのロングヘアの女。
向こうを向いているせいか、顔までは分からない。


でもここまで来たら、どんな顔をしてるのか気になる……。


俺はさらに身を乗り出して、横顔だけでも拝借しようと思ったが……



「おわっ……!!」



よろめくのと同時に、バキバキという枝が折れる音。

俺は見事、茂みに生えている木の上に倒れた。