にしても、すげぇ綺麗な顔してるよな……


寝てしまったからこそ、マジマジと顔を覗き込んだ。


目は閉じられ、ほんの少しだけ開いた唇。
肌は白いけど、熱のせいでほんのりと赤くなった頬。


こんなにも綺麗な人が、この世に存在するのか、と本気で思った。



「………莉桜…」



なんとなく、名前を呼んだ。


本当はもっと呼びたかったけど、怖くて呼べなかった名前。

だけど、その声に、彼女はぴくっと反応した。


そして………



「……れ…ん……」



小さなその口から、俺ではない名前が漏れた。