触れた彼女の手は、俺が思っていた以上に細くて小さかった。
普段、男顔負けの暴言も吐くから、存在が大きく見えるけど、本当はとても華奢な女の子だ。
彼女は、俺に手を握られると……
「……ははっ…やっぱやめとくべきだったかな……」
もう片方の手で、顔を隠し、そうつぶやいた。
そう言いながらも、握った手を離さない彼女。
俺も離すべきなのか分からなくて、彼女から離されるのを待っていた。
結局手はそのままで、無言のまま時間だけが過ぎていく。
そしてしばらくすると、顔を抑えていた手が、ずるっと下に落ち、彼女から規則正しい寝息が聞こえ始めた。
「寝た……か……」
「……」
その言葉にも、反応はかえってこない。
どうやら本当に、寝入ったようだ。

