「こここんなとこで着替えんなよっ」
「だって部屋、これしかないんでしょ?」
「そ、そうだけど……トイレとか風呂場とかっ……」
「狭い」
俺のほうが焦って、思わず背中を向けてしまう。
その間にも、彼女は服を脱ぎ捨て、渡されたティーシャツを着ていた。
「ありがと。で?ここで寝ていいの?」
「あ、う、うん……」
それを聞くなり、彼女はベッドの中にもぐりこんだ。
正直、俺の心臓は破裂寸前だ。
自分のベッドに、大学一の美人と言われる水島莉桜が寝ている。
しかも俺のティーシャツ一枚で。
それだけでどうにかなってしまいそうだった。
「ねえ……」
「はいっ」
「手、握ってて」
「……」
差し出された左手。
俺は高鳴る鼓動をなんとか抑え……
「……ん」
彼女の手を取った。

