一言なのに、
その一言がすごく重く聞こえた。
躍起になったとか、そんなものじゃなくて
その一言にどれだけの思いが込められているのか、想像もつかないほどだった。
だけど……
「じゃあ、俺んち来て」
俺はもう、こう言うしかできなかった。
彼女は、何も答えず、俺の顔を見ている。
「あ、って言っても……俺も一人暮らしだから、誰もいねぇんだけど……。
でも別に、変な意味とかないからっ!マジでっ……」
いきなり、親しくもない男の一人暮らしの家に行くなんて、絶対に抵抗があるに決まっている。
かといって、俺が彼女の家に行くのも、どうかと思った。
たぶん、それも拒まれるだろうな、と思っていたけど……
「わかった」
彼女はその提案に、すんなりと承諾した。
「え……」
最後に、俺のほうの驚きの声が残った。

