こういう日ってのは、熱があるってこと?
なんで、そんな日は一人で寝たくないんだ?
「家族の人とかいねぇの?」
「いない。一人暮らし」
「……」
ということは、確かに帰っても、家に一人だから看病する人もいない。
でも、熱があるのに、眠らず公園にいるのって……
「とりあえず、熱どれくらいあるの?」
「さあ」
「さあ、って………ちょっといい?」
「…っ」
悪いと思ったけど、ついおでこに手を当ててみた。
彼女は一瞬ビクッとなったが、とくにはねのけることはしなかった。
というか……
「すげぇ熱いんだけど!!」
彼女の熱は、思った以上にあるみたいだった。
「こんなんで外にいるなんてダメ!無理!」
「なんでアンタが決めんの」
「あ、や、そうだけど……絶対に悪化するから!」
「いいよ」
「ダメだって!悪化して、万が一のことがあったら、どうすんだよ!!」
「……」
その言葉に、彼女は一瞬黙った。
だから、俺の言葉が通じたのかと思った。
だけど次に吐き出された彼女の言葉は……
「いいよ」
たった一言、それだった。

