「ど…してっ……早く起きてよっ……」
樹の手を握り締めながら、必死に懇願する。
だけど聞こえてくるのは、繋がれている心拍装置着の電子音のみ。
「約束したじゃんっ……
一緒に生きようって……」
(俺は絶対に、莉桜をおいて死んだりなんかしない。
だから………
俺と一緒に生きよう)
「そう言ってくれたじゃんっ!!
約束守ってよっ……」
涙で滲む視界に映るのは、眠っている樹だけ。
あたしは
樹が隣にいてくれないと
もう息の仕方すらわからない。
だけど……
樹の瞳が開くことはなかった。
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