「ごめん……帰って……」
「嫌だ」
「お願いっ……」
「絶対に嫌だ」


背を向けながら俺を強く拒む莉桜。

だけどもう逃げたくなんかない。


「さっきの見たでしょっ……。
 あたしには蓮を忘れるなんて出来ないのっ……。
 あたしに、誰かを好きになる資格なんてないんだよ!!」


「俺は死なないっ!!!」


「!!」


その言葉に、莉桜はビクッと体を震わせた。


強く怒鳴ったからじゃない。
言葉に反応したんだ。


「俺は何があっても絶対に死なない。
 莉桜を守ることはあっても、死を選ばない。

 だってそうだろ?

 俺は莉桜の隣にいることが、こんなにも幸せなんだから」


「……っ」


ふるふると肩が震えていく莉桜。


俺はそっと、莉桜の首に腕を回し後ろへ抱き寄せた。