「落ち着いたみたい」

「そうですか……」


莉桜の家。

浩介さんが車で送ってくれて、莉桜はその間に気を失うように眠ってしまった。


最初はそれこそ、うなされていたが、ようやくそれもなくなり、規則正しい寝息が聞こえてきた。


俺と浩介さんは、ベッドから少し離れると、テーブルを囲って座った。


「また、心配させるようなとこ、見せちゃったね」
「……いえ…」


心配というよりは、悔しかった。


ようやく、莉桜は俺を見てくれたかと思ったら、まだ莉桜の中に蓮さんの存在は大きく残っていて……。


(れんっ……蓮っ!!)


泣き叫ぶ莉桜の声が、頭から離れない。