「莉桜……

 過去なんて関係ない。
 きっかけなんてどうでもいい。

 だからいい加減、俺を見て」


「い、つきっ……!!」



莉桜は振り返ると、俺へと抱き着いた。


俺はそんな莉桜を、全力で受け止めた。



「あ、たしっ……でもっ……あたしはっ……」

「莉桜、もう黙って」

「いつ……」



それでも何かを言おうとする莉桜の口を、俺は自分の口でふさいだ。



言い訳とか
懺悔とか


そんなことは聞きたくなんかない。



ただ今は、俺を受け入れてほしい。