莉桜の隣には、浩介さんもいた。

莉桜はただお墓を眺めていて、浩介さんはちょうどこっちへ振り返る。
そして俺と目があった。


浩介さんは莉桜に何か言うと、その場から離れていき、お墓の前には莉桜一人となった。

莉桜はまだ俺の存在には気づいていない。


俺はもう少しだけ、莉桜の傍へ近づいた。



「………蓮…」


その時、お墓へ呼びかける莉桜の声が聞こえた。


莉桜の声が、あまりにも悲しくて、俺は足を止めてしまった。



「蓮………もう、3年も経っちゃったね……」



それは、莉桜の口から初めて聞く、蓮さんへの言葉だった。