「確かにきっかけは、君の容姿かもしれない。
だけど今は違う。
それは、莉桜の兄として断言できるよ」
「……浩介さん……」
「だからさ。
悩むのもわかるけど、もうちょっと莉桜を支えてやってよ。
樹くんが本当に、莉桜のことが好きだったんなら……」
「……」
俺が莉桜のことを好きだったんなら……。
その言葉は、俺の心に大きくのしかかった。
「明日。
もし莉桜にこれからも会ってくれるって言うんなら、この場所に来て」
「え?」
「莉桜は明日、ここにいるから」
そう言って、浩介さんは俺に一枚の紙切れを渡した。
そこには、どこかの住所が書かれている。
浩介さんは俺が紙を受け取るのを確認すると、伝票を持って立ち上がった。
そして……
「明日来ないと、本当に莉桜と終わっちゃうかもよ?」
それだけ言って、先に立ち去ってしまった。

