十二の暦の物語【短編集】

**** **** **** ****
もうすぐ新年
お寺には凄い数の人が居た
田舎なのにこんなに集まるなんて思ってなかった…

お寺から、かなりの範囲には、重みの有る除夜の鐘が響き渡っている

分かっているのに、無意識に和哉を探してしまう

『居ない…よね…』

はぁ。と真っ白な息を吐く

「睦月ー。もっと前行かないとお賽銭入れられないよー」
『…はーい…』

ホントは人ごみ苦手なんだよね。私チビだから。なんて思いながら渋々前に進む

タバコ臭い
香水臭い

気持ち悪い…