十二の暦の物語【短編集】

ザワつく人だかりの中、ウチの呟いた言葉に祐雅が反応した

『ぁった…あった…』

『あった!!!!』
「マジでか!!俺も見るー!!!!」

祐雅はテンション上げて、ウチの受験番号をひったくって掲示板を見始める
ウチの番号を見つけたのか、顔がみるみる明るくなって、こっちを凄い勢いで見られた

「マジでー!!!!おめでとーーーー!!!!」
『わっ!!!!ちょっ、恥ずかしいからっ!!』

凄い勢いで
凄い力で

抱きつかれた

【抱きつく】って恋愛っぽい表現は似合わなくて
大会で優勝した時に仲間同士でやる【ハグ】って表現が似合うんだけど…
当然ウチは真っ赤になって、祐雅の腕を向こう側にぐいぐい押した

「…あ、悪ぃー」

祐雅は今更になって状況を飲み込んでウチから腕を解いて舌をぺろって出した

顔は(多分)未だに赤いけど、ウチも笑顔になって言った

『4月からもよろしくねー』
「おう!!」

祐雅も笑顔で答えた