十二の暦の物語【短編集】

いきなりニカっと笑って、ウチの隣に座り込んだ
手には英語の小さい本を持ってる(まだ英語が分かんないらしい)
祐雅はウチの持ってる参考書を覗き込んで笑い始めた

「うわー!サラ日本史まだ分かんねーの!?マジでー!!!!」

五月蝿いよ。今何時たと思ってんだコイツ
自分が電車の中に居るって自覚してんのかコイツ

『五月蝿いな!祐雅だって英語分かんないんでしょー』
「…俺はアレだよ…アレ。復習だよ」
『ふーん。じゃー教えてやろーと思ったけどイイや』

イジワル言って席を立とうとしたら、右手首をガッチリ掴まれた

『…何』

「…オシエテクダサイ」