「雨降ってるから、家居ようと思ったけど」

クローゼットを開けて、ダウンを羽織った

「行こ」

少し強引にあたしを引っ張ってベッドから立たせた
大きな窓の外は、結構な雨が降っていた

「…師走」
『は、はいっ』
「行かないの」
『い、行くっ』


箱の中身は

【合格祈願】のお守りと
可愛いシルバーのピンキーリング


「…師走」
『…あ、何っ?』
「これ」

言いながら、手の平に置いたリングを取った

「これ、して」
『あ…うん』

薬指にしようと思ったけど、人差し指にリングを入れた

竜也が小さくうなずいた

「行こ」




初めてのクリスマス
大雨だけど
ホワイトクリスマスなんて通り越してるけど

最高かも


「てゆうか、さっきの冗談」
『嘘ッ!?あたし結構本気にしたのにっ!焦ったのに!!』
「…何?もしかして期待」
『し、してませんっ!!』