「……嫌か?」

『……あ、あたし…彼氏できたの始めてで…』
「…知ってる」
『その…そーゆうことも…初めて…なんですけど……』

「…知ってる。だから…俺が初めてなのは、嫌か。って」

竜也の少し鋭い瞳が、あたしを真っ直ぐに見つめた

『嫌…じゃないけど……覚悟…?…が…』

一瞬、竜也の顔が笑った気がした

「…ん。そう」

また、顔が近づいた

『ゃ……ッ』

ちゅっ
唇の吸い付く音がして、あたしの耳の下が熱くなった
竜也があたしの上から下りた

「じゃ、いいよ」
『ぇ…』
「そんな無理にとは言わない」
『ご、めん……』
「何で謝んだよ」

起き上がりながら、竜也を見ると、ネクタイを締めていた
あたしに背中を見せたまま、呟いた

「……あ、そうだ」

ハンガーにかけてあるジャケットのポケットから、小さな白い箱を取り出した

「プレゼント」

それだけ言って、あたしに投げた

『えっ?』

ビックリしながら受け取った