十二の暦の物語【短編集】

「ハラ減ったなー…」
『賢と孝司は午前中部活だったの?』

ちなみに彩音とあたしは午前中浴衣に似合うヘアスタイルを開発中でした☆(笑

「おー。賢がさー。今日すっげぇ調子良かったんだよなー」

そう言いながら顔だけ振り返って後ろで未だに漫才バトル(笑)を繰り広げてる賢に言う
賢は彩音の腕を掴んで顔に汗を浮かべてあたしと孝司に答えた

「そーなんだよー。俺こないだまで超スランプだったんだけどー…」
「賢!スイカ買お!!」
「って俺無視かい!?」
「ちゃんと聞いてるよー」

適当に受け流してるけど、彩音は本当に賢が大好きで
賢がちょっとでも怪我すると「次の大会大丈夫かなぁ」なんて泣きそうな顔であたしにも孝司にも寄ってきて
孝司がどんなに説明してもオロオロしっぱなしだし…

賢だってご覧の通りね?
…まぁ結果ラブラブってことだね(笑

「スーイーカ!!!!早く買ってきてよー!!」
「つかそれパシリじゃん!!」
「嘘だよ(笑)一緒に買いに行こー」
「じゃあ孝司も一緒に行こうぜー」

「え?お、おう」

「ばっか!!」

がちんっ

「いてぇぇぇぇぇッ!!!!」

彩音が本日最高の鉄拳を賢に振り下ろした
…痛そー…;;

「ど、どうしたよ彩音…?」
「あー孝司気にしないで!!ホラ賢行くよ!!」
「え。ぇえ?」

彩音は賢の袖を掴んでズルズル引きずりながら人ごみの中に消えていった…