司にとって最大の難関とも言える特別科目の試験が始まった。
「大きなミスさえしなけりゃきっと大丈夫だ」
自分に言い聞かせ、弱気な心を強引に追い払う。
初日はテーブルマナーを中心とした西洋的なものだった。
採点は持ち点が十点でミスを犯す毎に持ち点が引かれる減点方式だった。
しかも大手の企業でも取り入れているレドモンド式面接試験だった。
「暗記だけに頼らず、常識に捕われない本当の知識が問われるレドモンド式面接試験か。ったく木の葉さんも余計な事をしてくれる」
いくつかの教室で生徒たちが一人ずつ試験を行っている。
「うぅ。緊張します。こんな試験も初めてですし」
横で薫が表情を固くさせている。
「落ち着いてください。レドモンド式面接試験は最初に浮かんだ答えはまず間違いだと思ってください」
「そ、そうなんですか?」
「はい。固定観念や先入観に捕われないでください。落ち着いて考えれば大丈夫ですから」
「でも」
「じゃあ俺がリラックスする魔法をかけてあげます」
「魔法、ですか? …フフッそれじゃお願いします」
「分かりました。それじゃ失礼しますね」
薫の額に人差し指を軽く当てる。
「………これでどうですか?」
司が指を離すと、薫は驚いたように、額に手を当てる。
「あれ? なんだかさっきより緊張感が安らいだ感じがします」
「そりゃ良かった」
司は魔法で薫から出ているβ波の量を減らし、代わりにα波の量を増やしたのだ。
つまりは薫に適度な緊張感を与えるようにしたのである。
「それじゃお互いがんばりましょう」
「はい。司さんも頑張って下さいね」
はっきり言って司は他人に気を遣う余裕などないのだが、薫の笑顔と応援で少しだけガッツが上がった。
そして司の番が回り深呼吸をして試験に臨んだ。
「なんやねん! そのレドモンドなんたらゆーのは!」
試験が終わりその帰りに、美琴や咲枝に今回の試験内容を話すと、美琴が怒鳴り付けてきた。
「レドモンド式面接試験。作者もよく覚えてないらしい」
「いや作者て。まあええわ。んで? レドモンドさんがなんやねん?」
今後の対策にしようと美琴も興味津々だった。
「大きなミスさえしなけりゃきっと大丈夫だ」
自分に言い聞かせ、弱気な心を強引に追い払う。
初日はテーブルマナーを中心とした西洋的なものだった。
採点は持ち点が十点でミスを犯す毎に持ち点が引かれる減点方式だった。
しかも大手の企業でも取り入れているレドモンド式面接試験だった。
「暗記だけに頼らず、常識に捕われない本当の知識が問われるレドモンド式面接試験か。ったく木の葉さんも余計な事をしてくれる」
いくつかの教室で生徒たちが一人ずつ試験を行っている。
「うぅ。緊張します。こんな試験も初めてですし」
横で薫が表情を固くさせている。
「落ち着いてください。レドモンド式面接試験は最初に浮かんだ答えはまず間違いだと思ってください」
「そ、そうなんですか?」
「はい。固定観念や先入観に捕われないでください。落ち着いて考えれば大丈夫ですから」
「でも」
「じゃあ俺がリラックスする魔法をかけてあげます」
「魔法、ですか? …フフッそれじゃお願いします」
「分かりました。それじゃ失礼しますね」
薫の額に人差し指を軽く当てる。
「………これでどうですか?」
司が指を離すと、薫は驚いたように、額に手を当てる。
「あれ? なんだかさっきより緊張感が安らいだ感じがします」
「そりゃ良かった」
司は魔法で薫から出ているβ波の量を減らし、代わりにα波の量を増やしたのだ。
つまりは薫に適度な緊張感を与えるようにしたのである。
「それじゃお互いがんばりましょう」
「はい。司さんも頑張って下さいね」
はっきり言って司は他人に気を遣う余裕などないのだが、薫の笑顔と応援で少しだけガッツが上がった。
そして司の番が回り深呼吸をして試験に臨んだ。
「なんやねん! そのレドモンドなんたらゆーのは!」
試験が終わりその帰りに、美琴や咲枝に今回の試験内容を話すと、美琴が怒鳴り付けてきた。
「レドモンド式面接試験。作者もよく覚えてないらしい」
「いや作者て。まあええわ。んで? レドモンドさんがなんやねん?」
今後の対策にしようと美琴も興味津々だった。


