そしてその翌日、司たちはもう一度、寮の屋上へと集まった。
 これ以上魔法の訓練を受けるかどうかの確認のためである。
 美凪と真夜は魔法使いのため、受ける必要はない。チャオランは魔法が使えないため、受ける意味がない。
 つまり残りの薫、美琴、咲枝、そして刻羽の四人が決めなければならない。
「それで。どうするか決めた? 四人とも」
 司は四人の顔をそれぞれ見つめる。
「ウチは正直パスやな。あんなん見せつけられたらな。それに部活もあるし」
 と美琴が答える。
「私はやるよっ! せっかく世界が広がったんだもんね」
 と刻羽が答える。
「私も当然、学ぶつもりです。私から持ち掛けた話ですから」
 と咲枝が答える。
「私は……」
 少しだけ悩むような仕草を見せ、チラッと司の顔を覗く。
「私も魔法を、司さんの世界をもっと知りたいですから」
 と薫が答える。
「結局、美琴先輩だけですか」
 美凪が半ば呆れた表情で三人を見た。
「ウチも部活なかったら、参加してたんやけど」
「呆れた。私が言うのもあれだけど、あれだけの物を見せられて、魔法の世界に踏み入れたいだなんて」
「まあまあ。あれくらいの魔法戦なんてそうそうないから。魔法使い同士の戦いにも決まりがあるし。早々命を賭けた戦いなんてないよ…多分」
 魔法使いの戦いとは自分の名誉を賭けた戦いなのだ。つまり自分より格下との決闘は恥なのだ。
「それに正式に魔法使いを名乗るにはどっかの門下に入らないと、駄目だしさ」
 呆れた様子で美凪は司を見つめ肩を落とす。
「まっ私には直接は関係ないし、どうせ司が守るんでしょ?」
「あれ? 手伝ってくれないのか?」
「どうして私が」
「お前、当主になったら嫌でもやんなくちゃならんのだぞ?」
「………はあ。分かったわよ。私も手伝えばいいんでしょ?」
「おう。どんな時でも一人よりは二人ってな」
「あ、あの! それ私も参加してよろしいでしょうか」
 突然、真夜が手を挙げる。
「え? でも真夜はもう魔法使いだし、それに構成の組み方だって」
「………分かった。いいよ。好きにすればいい」
 司の言葉に真夜は喜び美凪はため息を吐いていた。