【完】初めての恋は――。

久しぶりの部活のない放課後に、早く帰ればいいものの、だらだらと教室で真美とおしゃべりをしていた。


だってこんなゆっくりとした放課後ないんだもん。


この前の遠征とか、試合でのこととか、色々な話を真美に報告した。



「でね、前田先輩がね……」


テストの話とかもしたくて、さっきから話しっぱなしだった。


「ちょっと、ストップ、ストップ。気付いてる?亜美ってさ、最近前田先輩の話ばっかりするよね」



小百合先輩と前田先輩、そして弘樹のことを主に話していた……つもりだった。


そうしたら、私の話しを切って真美が話をかぶせてきた。


その上、何だかニヤニヤしててちょっと怖い。


そして、真美の発言の意図がよく分からない。


どういう意味だろう?



「そう?そんなことないと思うけど?」


一緒に過ごす時間が長いから、そりゃあ多少は先輩の話は多くなってくると思う。


でも、それは小百合先輩、弘樹も同じのはずだけど。