【完】初めての恋は――。

「お前らキャプテンが率先して騒いでどうするんだよ。全員飽きるのはえーよ」


私がちゃんと説明してもらおうとしていると、怒っているらしい大石先輩の声にシャットアウトされてしまった。


確かに騒がしかったかな?


周りを見渡すと、眠ったり、おしゃべりしている人ばかりで、全然勉強なんてしていなかった。


そりゃ大石先輩怒るはずだ。


少しだけ反省した。




「悪い、悪い。そんな怒るなよ」


「キャプテンがそんなだから……今回のテスト自信あるって事だよな?よし、決めた。今回の試験で学年半分に入れなかったやつは、ペナルティメニューな。いいよな、キャプテン」


大石先輩の迫力に圧倒されたのか、前田先輩は頷いてしまっていた。


あーあ、知らなーい。


案の定、周りからブーイングがあがっていた。


反対している先輩たちは怪しいのかな?



「ちょっと待てよ。勝手に決めるなよ。なぁ、お前らも嫌だろ?」


助けを求めるように、一緒にいた私たちに同意を求めた。


先輩、たぶん聞く人間違ってると思います。


3人視線を合わせて、頷いた。

そして、小百合先輩が代弁してくれた。



「私は構わないよ。和也、大石、それで決まりってことで」


だって私もその条件困らないから。





「「ご愁傷様です。応援してます」」


気の毒だなと思いつつ、落胆する前田先輩に、弘樹と2人で声を揃えエールを送った。