【完】初めての恋は――。

「学校で亜美たち見かけたことあるけど、目立つもんね。もう1人女の子いるでしょ?あの子も綺麗だし、3人揃うとね」


そうなのだ。


真美は綺麗で人気あるし、弘樹はカッコいいとかで人気があって、2人と一緒の私も含めて、3人で行動すると、みんな見ているのは知ってる。


目立っているのはあくまで2人であって、少し羨ましいくらい。



「あー。俺も見たことあるわ。あれは確かに目立つ。弘樹とか色々言われないか?」


「……それなりには」


何を言われるの?そう思って、隣を見ると弘樹と目が合った。


私が理解してないのが分かったらしい。



「分からないままでいいから」


溜め息を吐きながら、また頭を撫でられてしまった。


その手を私は無言で振り払った。


「うん、亜美は分からなくていいよ。それが可愛いー」


今度は小百合先輩に抱きつかれてしまった。


みんなして、何なんだ。




「…ククッ。亜美が困ってるから、離してやれよ」


私の表情を読み取ってくれたらしい前田先輩が止めてくれた。


全然解決していないけどね。