【完】初めての恋は――。

「でも、待てよ。亜美は俺らと一緒で、期末前は部活漬けだっただろ。いつ勉強してたんだよ?」


確かに、先輩たちと遠征も行ってたしね。


私も1人だったら絶対勉強してなかったとは思う。


たぶん……というか、絶対。




「土日に亜美の家で、俺が教えてました」


期末は弘樹のお陰だったと思う。

認めたくないけど。


「あまりにも疲れて勉強しなかったんで、お母さんがキレちゃいまして。気づいたら弘樹に頼んでありました」


面倒だなと思いつつも、一緒に勉強することになった経緯を説明した。


そういえば、同じ説明を真美にもしたな。


なんてどうでもいいことも、一緒に思い出していた。



私と弘樹の言葉に、小百合先輩と前田先輩は何か言いたそうに、顔を見合わせていた。


ここでも最初に言葉を発したのは前田先輩だった。