「「「いただきます」」」
先輩たちとも協力して、急いで準備したおかげで、予定よりも早めに食事が始まった。
3年生は3年生で固まって食べてたから、私と内田さんは小百合先輩とともに2年生男子と同じテーブルについて、食事をした。
今日は疲れたから、いつもより箸は進んだ……気がしてたのに。
なんで気付くかな?
「亜美、嫌いな野菜を残すな」
私の斜め前に座っていた前田先輩にはばれていた。
「あー、本当だ。亜美、ピーマン嫌いなの?」
隣に座っていた小百合先輩からは死角だったはずなのに、前田先輩の指摘のせいで見つかった。
「……きらいです。というか、この緑の物体を食べ物とは認識していません」
私の答えに、近くにいた内田さんと、他の先輩たちもくすくすと笑った。
「だから亜美はこんな可愛い体系なんだよ。今日も、何度も場外に出されてたしね。体重ももっと増やさないと」
そうなのだ。
今日の練習試合では、何回も何回も場外に押し出された。
相手はどう見ても上級生で、明らかに体格負けしていた。
それは分かってるけど……
「嫌いなものは嫌いです。これ食べなきゃならないなら、小さいままでいいです」
そこは譲れない。



